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違反事例に学ぶ安全配慮義務

法律により企業には安全配慮義務が定められていますが、その具体的なラインは明確に定められていません。しかし、安全配慮義務はコンプライアンス経営を実践する企業にとっては重大な問題で、あいまいなままにしておくことはできません。

以下では、過去に起きた安全配慮義務違反事例を掲載しています。詳細と裁判所の判断、そして考えられる対応策を記載していますので、ご参考にしてください。

みくまの農協事件(和歌山地方裁判所 平成14年2月19日 判タ第1098号)

農業協同組合に勤務していた従業員が死亡(自殺)。原因は同組合の過失または債務不履行(安全配慮義務違反)だとして、家族が同組合に対し「不法行為または債務不履行(安全配慮義務違反)による損害賠償請求権」に基づき、損害および遅延損害金の支払いを求め、895万8,540円の支払いが認められました。

詳細

農業協同組合Yが設置したC給油所所長として勤務していたA(精神疾患の病歴あり)。平成9年に到来した台風により河川が急激に増水し、給油所が浸水。機械類の破損、帳簿・書類などの汚損を生じ、通常業務が不可能な状態に。復旧作業による圧迫と書類汚損により担当業務が困難になった。自宅に書類を持ち帰り、朝晩書類仕事をするようになったが、「こんなことになったのは全部自分が悪いからだ」などとつぶやくように。同年8月上旬、「今回の台風により給油所浸水私の判断の誤りから多大な損害を与え又不適切な事後処理茫然自失のまま……」などと記載された辞表を作成。同年8月22日、Aは縊死(自殺)した。

裁判所の判断

業務との因果関係:Aの精神状態が不安定になったのは台風後であり、ほかに自殺の原因がうかがえないことから、業務との因果関係を認める。

過失:組合YはAの異変を認識しえたにもかかわらず、適切な対応をしなかったため、過失を認める。

過失相殺:Aの自殺は同人の素因(精神疾患)に主たる原因がある。また、Aの異変に気づいた家族も何らかの対処をすべきだったため、過失相殺ないし類似の法理により、賠償額から7割を減額するのが相当。

この事例から学ぶべきこと

【肉体的・精神的ストレスから従業員を守るフレームワークの必要性】
裁判所も「Aの自殺は同人の素因(精神疾患)に主たる原因がある」としましたが、それと同時に自殺の原因に業務との因果関係を認めています。業界や社風にもよりますが肉体的・精神的ストレスの多い環境に従業員を置く場合は、特に注意が必要でしょう。従業員の異変をすぐに察知できるフレームワークや具体的な対応策などが求められます。

【天災や事故などが起きてもカバーできる環境づくり】
Aは台風後に変調をきたしました。これは天災や事故などによる乱れをマンパワーで解決しようとしたため大きな負荷がかかったから、と言い換えることができます。天災や事故などが起きても従業員に肉体的・精神的ストレスをできるだけかけない環境づくりが必要です。

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